四国は愛媛、松山市にある動物クリニック、"松山 ほうじょう動物クリニック(MHVC)"のブログです。

2011年1月18日火曜日

足根部の皮膚欠損の手術:Revers saphenous conduit flap



猫の子たちの交通事故は、残念ながらやはり多く遭遇します。





事故では骨折がよくおこりますが、車に引きずられたりすることにより、皮膚が欠損してしまうことがあります。





治療としては色々な方法がありますが、大きな皮膚欠損の場合、



 

他の場所から皮膚を移動してくる手術を行うことがあります。





そのひとつとして、足根部の皮膚欠損の際に、Revers saphenous conduit flap という方法があります。






実際の手術写真を載せながら簡単に説明を。



術後の「ゆず」。まだ少しぼーっとしながら、ゴロゴロ いってます。





①皮膚欠損した、手術前の右後肢です。
事故損傷後、しばらく洗浄などの創傷管理を行っており、ピンク色のきれいな肉芽組織で覆われています。

右後肢を内側からみたところ









②大腿(太もも)部内側の、正常な皮膚を横に切開し、そこを走る血管(内側伏在動脈・静脈)を結紮します。さらに、同血管を含める範囲で、縦方向にも皮膚を切開します。


②皮膚を足根部(足首のあたり)にむかって、剝離していきます。

右側が太もも、左が足先の方向。太ももの皮膚を反転していることろ。


③フラップ(皮膚を剝離した部分)を反転し、足首の皮膚欠損部分にあて、周りの皮膚と縫合をおこないます。
皮膚をとった大腿部は、伸展してそのまま縫合できます。
手術直後。まだ痛々しいですが。。


かなり大まかなながれですが、このような治療もあります。。が、






治療できる子はまだいいのですが、事故で亡くなる子や、重症の子も少なくありません!





できる限り猫の子は室内で飼ってあげてくださいね!!










0 件のコメント:

コメントを投稿